結論から言う。会議は『目的・時間・参加者』を事前に定め、厳守しろ。
多くの企業で会議が生産性を奪っている。長時間にわたり、結局何も決まらない。これは経営資源の無駄遣い以外の何物でもない。私は過去、無為な会議に膨大な時間を費やし、事業のスピードを落とした苦い経験がある。私の失敗は、会議の「目的」が曖昧だったこと、そして「時間」が無制限だったことだ。あの頃、会議の目的は「情報共有」と称しながら、単なる現状報告会になりがちだった。これにより、具体的なアクションアイテムが欠落し、次の会議で同じ議題が蒸し返される悪循環に陥ったのだ。
この問題意識から、私は徹底的に会議短縮に取り組んだ。まず、会議のアジェンダは事前に全参加者に共有し、各議題に時間配分を明記する。例えば、「A案件の進捗報告(5分)」「B施策の承認(10分)」といった具合だ。これは『トヨタ生産方式』における「見える化」の思想に通じる。会議の進行役は、この時間配分を厳格に守り、議論が脱線しそうになれば即座に軌道修正する。無駄話は一切許さない。また、会議の参加者も厳選する。本当にその場で意思決定に関わる人間、情報を提供する人間以外は招かない。Googleの元CEOであるエリック・シュミットは「全員が参加する必要はない」と常に主張していた。これも理に適っている。
会議の目的は「意思決定」か「具体的なアクション」だ。
会議の目的は、大きく分けて二つしかない。「意思決定」と「具体的なアクションの決定」だ。これ以外の目的、例えば単なる情報共有であれば、SlackやMicrosoft Teamsのようなチャットツールで事足りる。2020年代後半において、まだ対面やオンライン会議で情報共有だけを行っている企業は、生産性において時代遅れと言わざるを得ない。例えば、大手コンサルティングファームでは、会議前には必ず「プレミート」と呼ばれる事前打ち合わせを行い、論点を整理し、関係者間で認識を合わせる。これにより、本会議では結論を出すことに集中できるのだ。
私は起業初期、プロダクト開発の定例会議で、毎日1時間以上を費やしていた。しかし、議論が空中戦になり、具体的なタスクに落ちないことが多々あった。そこで、会議の最後に必ず「決定事項」「担当者」「期限」を明記した議事録を5分以内に作成し、その場で全員に確認させる運用に変えた。これは『SMARTゴール』の原則、特に「Measurable(測定可能)」と「Time-bound(期限がある)」を会議に適用したようなものだ。この徹底的な運用により、会議時間は平均30分に短縮され、チームの実行力は飛躍的に向上した。
会議は、目的達成のための手段であり、それ自体が目的ではない。無駄な会議をなくし、ビジネスのスピードを上げろ。それが、生き残る道だ。